集落移転Q&A

生活再建のための集落移転にご関心があるかたへ

このページの内容は、2011年10月4日時点での各種情報に基づくものです。最新の情報については総務省過疎対策室にご確認ください。過疎地域の行政担当者の皆さまは、「補足」についても、ぜひお読みください。集落移転による生活の再建、消滅集落の土地管理などについてのご意見、ご質問がありましたら、どうかご遠慮なく、ご連絡ください。お問い合わせ先は iten@ilur.jp です。
(作成者:林直樹、齋藤晋)

  • Q01. 「生活再建のための集落移転」とは何ですか?

    ダム建設や自然災害とは無関係に、過疎集落にお住まいの皆さまが生活しやすいところに、まとまって引っ越すことです。当然のことですが、強制ではありません。ひとつの選択肢としてご検討ください。

  • Q02. 実際に移転したかたから、どのような評価を受けているのですか?

    移転した住民の8割以上が「移転してよかった」と答えています*。また、わたしたちの調査では、約20年前に移転したかたから、「今振り返ってみると若かったから(もとの地区で)がんばることができたのであり、連れてきてもらってよかった」「以前からの仲間がいるから心強い」といった声が寄せられました。後継者が戻ってきたという事例もあります。
    * 総務省自治行政局過疎対策室(2001):『過疎地域等における集落再編成の新たなあり方に関する調査報告書』.

  • Q03. 移転を支援する制度はありますか?

    お住まいの集落が、いわゆる「過疎法」が定めた「過疎地域」であれば、「過疎地域集落再編整備事業(総務省)」が利用できます。原則として皆さまがお住まいの市町村が、集落移転をサポートします。なお、総務省は、集落移転以外にも、産業振興など、多面的な過疎対策を進めています。これらについても、ぜひご検討ください(具体的には市町村役場の総務・企画といった部署にご相談ください)。 国からの支援・補助にこだわらなければ、市町村や道府県などの単独事業による移転の実施も考えられます。過去にはそのような移転事例も国内にあります。

  • ※ 以下、「過疎地域集落再編整備事業」を利用して、集落移転を実施する場合
  • Q04. その事業を利用すると、どのようなメリットがあるのですか?

    「移転の円滑化に要する経費」として、1戸あたり最大2,385,000円の助成金が支給されます。市町村が国の支援を受けて団地を造成し、その土地を非常に安い料金、あるいは無償で長期間貸す―という方法もあります。住宅や土地の購入に必要なお金を借りた場合、その利子(全部または一部)に相当する額の助成金が支給されます(移転先住宅建設等助成費:1件あたり最大2,340,000円)。 市町村の負担額は、最も少ない場合には、移転事業費全体の15%になります(国からの補助は最大50%、過疎債による補助は最大35%)。

  • Q05. 移転先は誰が決めるのですか?

    特に決まりはありません。ふつうは移転者と市町村が相談して決めます。もとの集落から比較的近く、まわりに田畑が残っていて、なおかつ平らで生活しやすい場所に移転することが多いようです。 行政側が移転者の希望を聞いて、移転先の候補地を提示し、これをもとに相談を進めていくことが多いようです。

  • Q06. 跡地はどうなるのですか?

    特に決まりはありません。土地が取り上げられるといったことはありません。跡地に共同作業所などを作ることもできます(そのための補助もあります)。 事業経費のなかの「産業基盤施設整備費」がこれに該当します。ただし、用地の取得造成費は除きます。

  • Q07. 1戸でも利用できますか?

    移転戸数がおおむね5戸以上(実質3戸以上)という条件があるため、利用できません。逆に戸数が多いと話がなかなかまとまりません。上限は特にありませんが、10戸前後が現実的ではないかと考えています。

  • Q08. 移転者の負担をもう少し軽くすることはできませんか?いまさら家を建てる気がしないのですが。

    例えば市町村が独自に公営住宅を建てて貸し出すという方法もあります。この場合、移転先に持ち家と公営住宅が混在することになります。 「過疎地域集落再編整備事業」には公営住宅建設の補助はありません。市町村独自の事業として行うことになります。

  • Q09. 移転者に団地の土地を売ってもらうことは可能ですか?

    市町村が独自に造成した団地であれば、不可能ではありません。しかし市町村が国の支援(過疎地域集落再編整備事業)を受けて造成した団地の場合、すぐに売ることはできません。

  • Q10. どうしても全員が同じ場所に移転しないとダメですか?

    いいえ。集落移転の際、数戸がまったく別の場所に移転することはめずらしくありません。ただし別の場所に移転した人への助成は少なくなります。 市町村が移転先地として定めた団地以外に移転する住民には、住宅建設に関わる助成費は出ません。また移転者が当該市町村内にとどまらない場合、助成が少なくなります。

  • Q11. とりあえず冬だけ移転先で生活するというパターンはダメですか?雪が大変なので。

    可能です。そのために季節居住団地整備事業というものがあります。 「過疎地域集落再編整備事業(総務省)」のなかの、いくつかある事業の一つです。

  • Q12. 今すぐ移転したいのですが。

    最終的には住民全員の合意が必要になります。詳しくは市町村役場の総務・企画といった部署にご相談ください。あるいは林・齋藤(iten@ilur.jp)にご連絡ください。まずは話し合いからはじめましょう。 「過疎地域集落再編整備事業(総務省)」を利用する場合、市町村の担当者は、道府県の担当(道府県の市町村課や地域振興課、地域政策課など)に話を持ち込みます(道府県では、それを取りまとめて、総務省過疎対策室に伝えます)。これと平行して、「過疎法」が定めるところの「過疎地域自立促進法市町村計画」に、その「集落移転」を行う記述を盛り込みます(「○○市の□□地区で集落移転を行う」など)。そして、その計画を市町村の議会に通します。議会の承認を得られれば、予算をつけることができるようになります。 住民全員が納得して移転をすることが何より大切です。